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猫本19:『つづきのねこ』★吉田稔美(署名入り) [猫★主役絵本]

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『つづきのねこ』★吉田稔美

文庫を横にしたサイズの、ハードカバーのシンプルな表紙が可愛いミニ絵本。

最初のページに、
「こころの底につながっていた だいいなねこをなくしたきみに そんなにもはげしくまたと もとめるならば戻ってくるよ」
と書かれていたので、猫を失う話なのだと思い身構えたけれど。

別れは痛みを伴ってはいるが、重たく描かれてはいない。
それでも、庭に埋葬し、土の中で骨にして身近に置きたいと願ったりはする。

悲しみの中で出会った「目の見えない仔猫」が、生まれ変わりなのか、「代わりに行って」と前の猫に言われて来たのかはわからないが、「絶対に両者は繋がっている」と吉田さんは強調する。

だから「つづきのねこ」なのだそう。

「思い込みだよ」と断じてしまうのはたやすいけれど、私も「つづき」を信じたいタイプなので、似たようなことがあれば、作者と同じように考えるんじゃないかと思った。

この本の絵は、猫も含めて全体がシルエットで描かれているような感じで、版画や切り絵のようにも見える。
最初の猫は白で、つづきの猫は黒で描かれているのは、実際、その色合いだったのかな?


つづきのねこ

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猫本16:『もしもねこがサーカスにいったら』★石津ちひろ、ささめやゆき [猫★主役絵本]

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『もしもねこがサーカスにいったら』★石津ちひろ、ささめやゆき (図書館本)

ねこは身軽だし、サーカスでは活躍できそうな気もするけれど・・・実際のサーカスでは、お目にかかったことがない。
サーカスは大きな会場、広い舞台で興行されるから、馬、ライオン、象、熊・・・と、大きめの動物が目立つ。
でも、犬や鳥は見たことがある気がするなあ。あれ?

大きさとは別の問題で、猫と「練習」「芸事」は似合わないけれど、猫科のトラやライオンはちゃんと演技していますね。あれ?

くろねこのミーシャと妹のしろねこサーシャは、サーカスにスカウトされ、特訓を受け、曲芸から玉乗り、空中ブランコまで挑戦するのだけれど・・・失敗ばかり。
ライオンやヒョウを相手に「猛獣使い」にもチャレンジするところが、なんだか可笑しい。

「向いていない」と思った2匹は、元の住処に戻っていったのだけど、印象として「挫折」とか「モノにならなかった」という残念な感じはなくて。
「猫は猫、やっぱり自由が一番さ」といった開放感が感じられます。

ささめやゆきさんの大胆なタッチの絵が、「小さいことなんか気にしないさ」といった、なんだか「突き抜けている」猫兄妹のイメージとよくあっている。

ちょっと不思議なのが、表紙の絵。
足の長さも「おおっと?」って感じですが、「くろねこ」と「しろねこ」の兄妹が主人公なのに、しろねこが2匹・・・解釈は色々できそうですね。
カバー裏一面に描かれた絵も含め、「読む」以外の楽しみ方もできる絵本です。


もしもねこがサーカスにいったら (講談社の創作絵本)

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猫本12:『みけねこキャラコ』★どいかや [猫★主役絵本]

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『みけねこキャラコ』★どいかや (図書館本)

キャラコはみけねこなのだけど、「茶色」が「ほんのちょっと」しかなくて悩んでいる。
おかあさんもおねえさんも「ちゃんとしたみけねこ」なのに、自分は一見「黒白ねこ」だって。
茶色の部分が欲しくて、紙を貼り付けてみたり、絵の具を塗ってみたり・・・でも、うまくいかない。

そんなキャラコに、くろねこばあさんが助言してくれる「おとなになれば、模様だって変わるんだよ」
キャラコは大喜びで、小さな小さな「茶色」を大事にし、すっかり元気に。

実際には、「おとなになれば、模様だって変わる」かはわからないけれど、キャラコが勝手に抱いていたコンプレックスのようなものは、おばあさんねこの一言で軽くなったわけで。
「うん、そういうことってあるなあ」なんて思った次第。

個人的には、キャラコが明るく元気になったら、周囲の猫たちが「キャラコの茶色」をほめてくれるようになったという展開に「うんうん」と頷いた。
人間もそう、というか、人間がそう、だなあって。

いじけたり、グジグジすることって誰でもあるけど、いっつもそんな感じの人の近くには、あまりいたくない。
「そんなことないよ」とか「そこが可愛いんじゃない」とか言っても、素直に受け取ってもらえなかったりするし。

暗いのがダメってことじゃないけど、やはり明るくて「自分を受け入れている人」とは話しやすいと思う。
誉め言葉も「ありがとう!」って受け取ってもらえるしね。

私もコンプレックスが強い方だから、キャラコの気持ちはすごーくよくわかるけど、同時に「そこから解放されることの大切さ」もよくわかるのでした。

どいさんの、柔らかい線と優しい配色で描かれた猫たちも魅力的。
特に黒い「おばあさんねこ」がちゃんと「おばあさん」に見えるのが素敵。

理想の自分になれないことに思い悩んでいる友達がいたら、そっと手渡したくなる一冊。

みけねこキャラコ

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猫本5:『猫じゃらし』★石津ちひろ、山口マオ☆サイン本 [猫★主役絵本]

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『猫じゃらし』★石津ちひろ、山口マオ

イラストを担当した、山口マオさんのサイン本。
古本仲間の甘夏書房さんからプレゼントでいただいたもの。

内容は、面白可笑しい「なんちゃって格言集」みたいな感じ。
著者2人は「ねこ式コトバアソビ」と銘打っている。(巻末に対談がついている)

たとえば「猫ふんじゃった」は、猫(マオさんの絵だと人物のよう)が「フン」を「踏んじゃってる」ところが描かれているし、「ノラ猫」は野良仕事をしている猫が「早く引退して元のノラ猫に戻りてえよ」とか言っている。

言葉から想像がつく展開もあるけれど、「ええ?」ってことになっている場合もあり、マオさんの絵がまた、柔らかいタッチなのにブラックジョークのようでいかしてる。
正攻法ではなく、ちょっと曲げた感じの「ひねり方」が、猫にふさわしいと思う。

石津さんは、『リサとガスパール』シリーズの翻訳で有名だけど、言葉遊びが好きなのかな。
絵本の原作や、フランス紹介本で何冊か読んでいるのだけど、いずれも言葉遊び的な要素があったような。

個人的には「借りてきた猫」が好きだなあ。・・・質屋に行ってるんですよ、猫が[わーい(嬉しい顔)]

コトバアソビと猫が好きな方は、きっと気に入るでしょう。
言葉に敏感だったり、ちょっと斜に構えた感じの子供へのプレゼントにも良さそう。

猫じゃらし (MOE BOOKS)

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猫本2:『キャッテゴーリー』★エドワード・ゴーリー [猫★主役絵本]

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『キャッテゴーリー』★エドワード・ゴーリー

エドワード・ゴーリーの絵本は不気味系が多いと思うけど、これは単純に「猫と数字」が並んでいる絵本。

表紙は、猫が「カテゴリー」という単語をいじって「キャッテゴーリー」にしているという遊び心に富んだもの。
可愛いというより、とぼけた感じのユーモラスな猫が、いたずらをしているようにも見える。

中は、様々な表記の「1~50」番という番号と&猫の絵が並んでいるんだけど、解説はおろか、「読む」文章、「何をしているのかを説明する単語」すらまったくない。

猫は、一つの番号に対して一匹ずつで、一輪車に乗ったり、ハシゴにはまっていたり、ボートに乗っていたり、なぜか上から降ってくろ花瓶のようなものを見上げていたりする。

ページ同士にはつながりがあるような、ないような・・・。たとえば、「上から花瓶」のモチーフは、何度か現れる。

「墓石」といった、楽しい明るいイメージからは遠いアイテムが頻出するあたり、「ゴーリーだなあ」と思う。

猫本じゃないから紹介しないけど 自殺うさぎの本 にも通じる何かがあるな。
ゴーリー登場以降、アメリカでは、こういったブラックユーモア的なナンセンス絵本が流行ったのかな?

十冊ぐらい持っている、ゴーリー絵本の中では、 うろんな客 が、一番好きだけど、二番目がこの本。
やっぱりね、猫だし。

ちなみに、私が一番好きな猫は、29番の猫で、とがった岩の上に背中を下にして寝ている。
この絵本の読書会をしたら、皆、お気に入り猫が違うんだろうな。

読書会って、今のところ参加者経験しかないけれど、いつか自分で主催して、この絵本を課題本に、猫本好きさんや、絵本好きさんと語り合えたらいいなー[ぴかぴか(新しい)]


キャテゴーリー

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