猫本12:『みけねこキャラコ』★どいかや [猫★主役絵本]
『みけねこキャラコ』★どいかや (図書館本)
キャラコはみけねこなのだけど、「茶色」が「ほんのちょっと」しかなくて悩んでいる。
おかあさんもおねえさんも「ちゃんとしたみけねこ」なのに、自分は一見「黒白ねこ」だって。
茶色の部分が欲しくて、紙を貼り付けてみたり、絵の具を塗ってみたり・・・でも、うまくいかない。
そんなキャラコに、くろねこばあさんが助言してくれる「おとなになれば、模様だって変わるんだよ」
キャラコは大喜びで、小さな小さな「茶色」を大事にし、すっかり元気に。
実際には、「おとなになれば、模様だって変わる」かはわからないけれど、キャラコが勝手に抱いていたコンプレックスのようなものは、おばあさんねこの一言で軽くなったわけで。
「うん、そういうことってあるなあ」なんて思った次第。
個人的には、キャラコが明るく元気になったら、周囲の猫たちが「キャラコの茶色」をほめてくれるようになったという展開に「うんうん」と頷いた。
人間もそう、というか、人間がそう、だなあって。
いじけたり、グジグジすることって誰でもあるけど、いっつもそんな感じの人の近くには、あまりいたくない。
「そんなことないよ」とか「そこが可愛いんじゃない」とか言っても、素直に受け取ってもらえなかったりするし。
暗いのがダメってことじゃないけど、やはり明るくて「自分を受け入れている人」とは話しやすいと思う。
誉め言葉も「ありがとう!」って受け取ってもらえるしね。
私もコンプレックスが強い方だから、キャラコの気持ちはすごーくよくわかるけど、同時に「そこから解放されることの大切さ」もよくわかるのでした。
どいさんの、柔らかい線と優しい配色で描かれた猫たちも魅力的。
特に黒い「おばあさんねこ」がちゃんと「おばあさん」に見えるのが素敵。
理想の自分になれないことに思い悩んでいる友達がいたら、そっと手渡したくなる一冊。
みけねこキャラコ
いいね~。
そういうコンプレックスというのも、若いからこそ持っているもののような気がする。
現在、私、ぜんぜん気にならなくなって。
そうなると、持っている人がうらやましい、というか、愛しい。
by らいみ (2011-09-05 01:21)
ああ、そうかも知れない。
年齢とともに開き直るというか、達観するというか。
若い内から「自信満々」てのは何だか愛しくないかも。
by 駄々猫 (2011-09-05 23:19)