猫本19:『つづきのねこ』★吉田稔美(署名入り) [猫★主役絵本]
『つづきのねこ』★吉田稔美
文庫を横にしたサイズの、ハードカバーのシンプルな表紙が可愛いミニ絵本。
最初のページに、
「こころの底につながっていた だいいなねこをなくしたきみに そんなにもはげしくまたと もとめるならば戻ってくるよ」
と書かれていたので、猫を失う話なのだと思い身構えたけれど。
別れは痛みを伴ってはいるが、重たく描かれてはいない。
それでも、庭に埋葬し、土の中で骨にして身近に置きたいと願ったりはする。
悲しみの中で出会った「目の見えない仔猫」が、生まれ変わりなのか、「代わりに行って」と前の猫に言われて来たのかはわからないが、「絶対に両者は繋がっている」と吉田さんは強調する。
だから「つづきのねこ」なのだそう。
「思い込みだよ」と断じてしまうのはたやすいけれど、私も「つづき」を信じたいタイプなので、似たようなことがあれば、作者と同じように考えるんじゃないかと思った。
この本の絵は、猫も含めて全体がシルエットで描かれているような感じで、版画や切り絵のようにも見える。
最初の猫は白で、つづきの猫は黒で描かれているのは、実際、その色合いだったのかな?
つづきのねこ
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