猫本34:『コスモス楽園記』★ますむらひろし [猫★脇役マンガ]
『コスモス楽園記』★ますむらひろし
ますむらさんといえば、アタゴオル、主人公のデブ猫ヒデヨシが有名ですが。
こちらのマンガも、同じく「人のように動いてしゃべる猫」たちが生息する島のお話。
ファンタジックな面と、妙にリアルな面が混在し、不条理性もある展開、という点も一緒なので、ますむらワールドが好きな人なら、すんなり入れるでしょう。
核実験と植物細胞実験のせいで誰も近づかなくなった南太平洋の無人島に、スクープを狙った青年記者、藤田が上陸するところから物語りは始まります。
誰もいないはずの島には、なんと、二本足歩行をし、日本語も通じる猫たちが、ある意味「ずっと進んだ暮らし」をしていたのでした。
藤田が仲良くなる発明家?の猫は、やっぱりデブ猫で、文太という名前。
他にも、将軍、煙鳥、ジプレッション、オリオン三毛松、オキアミ教の教祖さま・・・色々な猫が登場するのだけれど、どうもデブ猫率が高い気が。デブ猫好きにはたまらん・・・。
途中で、藤田のガールフレンドの真弓が彼を探しにやってきて、それからは彼女も一緒に島で過ごすことに。
エピソードが積み重なって、物語が進んでいくのだけど、私、まだ一巻しか読んでおらず、「こ、この先が気になる・・・」といった感じ。
5巻まであるらしいので、ゆっくり探そうと思っています。
最後に、藤田と真弓が日本に帰るのか、それとも島に留まるのか、そんなレベルじゃなく「とんでもない展開」になっていくのか、楽しみ♪
一巻で印象的だったエピソードは、ゴッホやゴーギャンの絵とジプレッション氏の一連のお話でした。
南太平洋つながりみたい。あと、キネマの話も面白かったな~。
コスモス楽園記 (1) (扶桑社文庫)
猫本15:『バロン 猫の男爵』★柊あおい [猫★脇役マンガ]
『バロン 猫の男爵』★柊あおい
猫の男爵バロンについては、先にジブリのアニメ映画で知りました。
女子高生ハルが主役のファンタジーで、彼女を助けるバロンがカッコ良すぎて「若者向けハーレクインみたいだ」と思ったことを覚えている。
さすがジブリで映像はとても綺麗だったし、充分楽しかったけれど、ちょっと照れくささも感じた。
その後、マンガも買ってみた。
これが原作なのだけど、もともと宮崎駿氏のリクエストで、柊さんが書き下ろした作品だそうで、ストーリー展開もバロンのカッコ良さも、他の登場人物の造形も当然同じテイスト。
猫の国があったら良いな~猫になれたら良いな~って、結構前から考えたりしていたから・・・私が想像していた「猫の国」とは違ったけれど、物語の中に入り込みやすかった。
猫とカラスが協力するって、他のファンタジー本でも読んだ気がするんだけど、よくある設定なのかな?
昨晩読んでいたエッセイには、公園にいるノラ猫とカラスが、お互い賢く共存している様が描かれていて、なるほどと思ったけれど・・・いつもどこでも仲良しって関係じゃないように思えるのだが。
まあ、この作品内では「賢いカラス」と「賢い猫」が協力しあって、ハルを助けるのでした。
ハルと、以前飼っていた猫のユキちゃんとの再会には、じーんときちゃいました。
そうか、猫の国ってそういうことでもあるのかって。
ハッピーエンドの王道ストーリーだけど、だからこそ安心して読めて、その世界にひたれます。
ちなみに、私のお気に入りは、カッコ良い紳士のバロンよりも、巨体でパワフルな悪人顔のムタさんです
バロン―猫の男爵 (Animage comics special)
猫本10:『ねこしつじ』★桑田乃梨子 [猫★脇役マンガ]
『ねこしつじ』★桑田乃梨子
友達に譲ってもらった漫画なのだけど、面白可笑しくて、軽快で、ねこしつじが可愛くて、気に入りました。
著者の桑田さんと、飼い猫の話なんだけど、ほのぼのコメディ系というのかな、微笑ましい笑いに満ちている。
「お嬢様、私にエサをくださってもよろしいですよ」なんて言ってます、ねこしつじ。
今のところ、たとえば病気とか別離とかの難しい問題は出てきません。
そうれはそれで大切なことだけれど「ギャグマンガ」に徹して、面白可笑しいエピソードに絞って描かれているところに潔さを感じます。
昔、大好きだった(今でもたまに読みますが)川原泉さんの漫画に近い印象。
単純な絵のラインとか、無理のない笑い、コメディセンスみたいなところが。
実際問題、猫は「執事」には向かないと思うけど・・・そこからして「コメディ」なのかも?
ねこしつじが怒って、「執事ネクタイ」をはずして「やめさせていただきます!」というくだりが特に好き。
猫ってそういう行動しそうだし
現在、2巻目が発売中~ネタがなくなるまで続けて欲しい。
ねこしつじ(1) (ワイドKC)
ねこしつじ(2) (ワイドKC)
猫本3:『グーグーだって猫である』★大島弓子 [猫★脇役マンガ]
『グーグーだって猫である』★大島弓子
猫漫画は数あれど、男性も含めここまで支持されている猫漫画は、そうそうないのでは?
小泉今日子主演で映画にもなりましたが、監督の犬童一心氏も「ずっと原作のファンで、映画化したいと思っていた」と語っていました。
現在、5巻まで出ているけれど、新しい巻が出るたびに最初から読み返してしまう。
タイトルには「グーグー」ってつくけれど、グーグーだけの話ではない。
大島さんが漫画家だから、漫画という形になっているけれど、内容が濃いこともあって、エッセイのようにも読める。
作者は猫をとても大切に思っているけれど、どこか冷静な観察者の目を持っていることが独特なのかな。
猫漫画といっても、大島さんの日常も一緒に語られるので、漫画家仲間やアシスタントさんたちとの「人間の交流」も描かれるし、猫を飼うことによって生じる様々な問題も描かれ、奥深い作品だと思う。
それにしても、グーグーは性格の良い猫だ・・・どんな子でも「うちの子」になれば、特別に可愛いと思うだろうけどね。
1巻では、グーグーのお腹に「タゴサク」と「ダーシェンカ」がいる話が特に好き。
5巻までの中では、「これから猫を飼いたいと思っている人」として、初めて飼う人、飼いたいと思っている人がやってしまいがちな失敗が、今から身にしみました。(仔猫を保護した大島さんが、飼い主を探す話の中で)
グーグーだって猫である