猫本32:『イヌとネコのパリ散歩』★フィリップ&リオネル・コクラン [猫★主役マンガ]
『イヌとネコのパリ散歩』★フィリップ&リオネル・コクラン
イラストを担当したリオネルさん(コクラン兄妹の妹)は絵本作家でもあるので、「絵本」に分類しようかと思いましたが。
訳者あとがきに「このマンガシリーズ」と記されていたので、フランスのマンガ、であるらしい。
イヌとネコがパリを散歩しながら、その場所にふさわしいセリフを発する、というスタイル。
セリフを担当したのは兄のフィリップさんで、なかなかシニカルなセリフが、特にネコのセリフに多い気がします。
たとえば。
「宝石店の並ぶヴァンドーム広場」では、2匹が店を覗いていて。
ネコ「石ころばかり・・・」
「エリゼ宮」を眺めながらの会話は。
イヌ「ポンピドゥー、ジスカール・デスタン、ミッテラン、シラク、歴代の大統領はみんな犬を飼っていた」
ネコ「ヤツらはおべっか使いが大好きなのさ」
「ペール・ラシェーズ墓地」にて、「パリ・コミューンにて亡くなりし者たちに」との張り紙を見ながら。
ネコ「時として、いちばんできる連中が排除されるんだ」
いや、全部が全部そういうセリフでもないのだけれど、「きっと作者はネコにそうあって欲しいんだろうな」と、思いました。
所々にフランスの歴史、演劇、映画、著名人、などに関するセリフも出てくるし、パリの名所の多くを網羅しているので、イヌネコに興味がなくても、フランス好き、パリ好きの人なら楽しめそう。
それにしても、このイヌとネコ、「可愛い」というのとはちょっと異なり、昔流行った言葉で表せば「ヘタウマ」みたいな印象なんだけど、線がすごくユニーク。
建物のイラストの線も、細いのに硬質な感じで、実際に描かれた建物がそうなのかはわかりませんが、ヨーロッパに多い「石造りの建物」のイメージです。
リオネルさんが絵を描いた、他の絵本も読んでみたくなりました。
それから、この本の前に『イヌとネコの生活事情』という一冊が出ているようで、それも入手したいなあ。
イヌとネコのパリ散歩
「石ころばかり」っていうのが良いですね。
確かに、って言いたくなります。
by ko-cha (2011-10-02 00:46)
>ko-chaさん
宝石が好きな方からは「なんだとぉ!」と言われそうですが。
私は鉱物や石は好きなんですが、宝石には興味がないので、思わず笑ってしまいました。
猫に小判ならぬ猫に宝石。
by 駄々猫 (2011-10-04 23:10)