猫本31:『ジャクソンねこのほんとうの家』★B・ボール(作)、C・ハリソン(絵) [猫★児童書]

110925_1317~0001.jpg


『ジャクソンねこのほんとうの家』   図書館廃棄本

一番近い区立図書館には、常設のリサイクルコーナーがありまして。
いつもは、ホット●ッパーみたいなフリペとか、なんかの紀要とか、読んでみたいと思えるものはほとんどないのだけど。
ある日、たまたま、「廃棄本」として出されていたこの本を見つけて持ち帰りました。
ボロボロとはいえ、猫の本が置いてあるなんてラッキー[揺れるハート]

話は、冷静で賢く孤独を愛するけれど、面倒見が良い半ノラのねこ、ジャクソンのところへ、1歳になったばかりの「まだ仔猫気分が抜けない」お嬢さんねこマリリンが、「大変なの!」とやってくるところから始まります。

マリリンは「人間の家族が、私を一人残して、大きなバッグを持って全員出かけてしまった」という現実に大慌て。
今までそんなことは一度もなかったし、旅に出たなら、明日のごはん、いえ、今晩のごはんはどうしたらいいの?

ジャクソンは、「やれやれ」と思いながらも、マリリンに「家族、庇護者としての人間がいなくても、半ノラで生きていける方法」をあれこれ伝授します。「もう仔猫じゃないんだから」と諭しながら。

ジャクソンには、「立ち寄って食べ物や飲み物を貰える家」がいくつもあり、それぞれの家で「違う名前」まで持っていたのでした。
郊外の住宅、広いお屋敷、町中の商店、それぞれタイプの違う家で、タイプの違う人間から愛されるジャクソン。

マリリンの「本当の家はどこなの?」という質問に対して、彼は答えます。

「どこもなし」、「ねこというものは、家が何軒あっても、そのどの家のものでもない」

うーん、シビレる。
食べ物を貰ったり、一緒に昼寝をしたりしても、「誰のものでもなく、オレはオレだけのもの」という態度。
これぞ猫! という気がします。

さらに、ジャクソンは森の大きな木の上に「自分だけの小屋」まで持っていて・・・いつでも野生に帰って暮らすこともできる状況にある。それが「一人前の大人の猫」だというわけ。
「いつでも一人で生きていける状態が大人」って考えると、人間としても耳が痛いなあ。

結局、マリリンは「旅ではなく、ピクニックに出かけていただけ」の家族が帰宅し、大喜びで彼らの元に帰っていくのだけど。
万が一、将来、彼女が家族と離れ離れになることがあっても、ジャクソンに教わったことが役立って、生き延びることができるでしょう。

お話は、ちょっと教訓的だけれど、「こうしなさい」という押し付けがましさはなく、「マリリンちゃんの初めてのお外、小さな冒険物語」のようにも読める。
素描画っぽい細やかなタッチの絵も、お話とよくあっているなあと思いました。

ジャクソンねこのほんとうの家 (子どもの文学・青い海シリーズ)

nice!(8)  コメント(4)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 8

コメント 4

らいみ

いやいや、マリリンちゃんは、家族と離れたら、違う家族を探すのだ。
てか、すんなり次の家族が見るかるであろう。
と、読んでもいないのに思ったのでした。
それもいいのだ。


by らいみ (2011-09-29 18:29) 

タックン

我が家の外猫「ニャン太」は あるところでは「大将」
あるところでは「トラちゃん」などと呼ばれています^^
まんべんなく訪ね歩いているようですが
寝床は我が家の物置です。
猫は自由で賢い生き物です^^
by タックン (2011-09-29 19:43) 

ゆうこ

ジャクソンnくんの逞しさ☆
うちのにゃーも伝授してもらった方がいいかしら…^^
児童文学なのかな?うちの娘が喜びそうです
by ゆうこ (2011-09-30 09:39) 

駄々猫

>らいみさん
あ、それ言えてるかも。マリリンちゃんは甘え上手だもの。
女として見習いたいかも・・・。

>タックンさん
「猫は自由で賢い生き物」、本当にそう思います。
ちゃんと、大切に扱ってくれるニンゲンを見つけますよね。
「ニャン太」と「大将」と「トラちゃん」、名前が3つあるんだ~ジャクソンと同じですね。

>ゆうこさん
ずっと家猫でいられる飼い主の元でなら、そんなに逞しくなくても良いかと・・・(逞しすぎると、獲物を沢山捕ってきたりして大変な気がします)
児童文学です~お嬢さんに是非。図書館にあるかな。(廃棄されてなければ・・・)
by 駄々猫 (2011-09-30 23:13) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。