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猫本31:『ジャクソンねこのほんとうの家』★B・ボール(作)、C・ハリソン(絵) [猫★児童書]

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『ジャクソンねこのほんとうの家』   図書館廃棄本

一番近い区立図書館には、常設のリサイクルコーナーがありまして。
いつもは、ホット●ッパーみたいなフリペとか、なんかの紀要とか、読んでみたいと思えるものはほとんどないのだけど。
ある日、たまたま、「廃棄本」として出されていたこの本を見つけて持ち帰りました。
ボロボロとはいえ、猫の本が置いてあるなんてラッキー[揺れるハート]

話は、冷静で賢く孤独を愛するけれど、面倒見が良い半ノラのねこ、ジャクソンのところへ、1歳になったばかりの「まだ仔猫気分が抜けない」お嬢さんねこマリリンが、「大変なの!」とやってくるところから始まります。

マリリンは「人間の家族が、私を一人残して、大きなバッグを持って全員出かけてしまった」という現実に大慌て。
今までそんなことは一度もなかったし、旅に出たなら、明日のごはん、いえ、今晩のごはんはどうしたらいいの?

ジャクソンは、「やれやれ」と思いながらも、マリリンに「家族、庇護者としての人間がいなくても、半ノラで生きていける方法」をあれこれ伝授します。「もう仔猫じゃないんだから」と諭しながら。

ジャクソンには、「立ち寄って食べ物や飲み物を貰える家」がいくつもあり、それぞれの家で「違う名前」まで持っていたのでした。
郊外の住宅、広いお屋敷、町中の商店、それぞれタイプの違う家で、タイプの違う人間から愛されるジャクソン。

マリリンの「本当の家はどこなの?」という質問に対して、彼は答えます。

「どこもなし」、「ねこというものは、家が何軒あっても、そのどの家のものでもない」

うーん、シビレる。
食べ物を貰ったり、一緒に昼寝をしたりしても、「誰のものでもなく、オレはオレだけのもの」という態度。
これぞ猫! という気がします。

さらに、ジャクソンは森の大きな木の上に「自分だけの小屋」まで持っていて・・・いつでも野生に帰って暮らすこともできる状況にある。それが「一人前の大人の猫」だというわけ。
「いつでも一人で生きていける状態が大人」って考えると、人間としても耳が痛いなあ。

結局、マリリンは「旅ではなく、ピクニックに出かけていただけ」の家族が帰宅し、大喜びで彼らの元に帰っていくのだけど。
万が一、将来、彼女が家族と離れ離れになることがあっても、ジャクソンに教わったことが役立って、生き延びることができるでしょう。

お話は、ちょっと教訓的だけれど、「こうしなさい」という押し付けがましさはなく、「マリリンちゃんの初めてのお外、小さな冒険物語」のようにも読める。
素描画っぽい細やかなタッチの絵も、お話とよくあっているなあと思いました。

ジャクソンねこのほんとうの家 (子どもの文学・青い海シリーズ)

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