猫本18:『わたし、猫語がわかるのよ』★日本ペンクラブ編 [猫エッセイ]

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『わたし、猫語がわかるのよ』★日本ペンクラブ編

日本ペンクラブの編集による、ペンクラブ会員兼猫好き作家の文章を集めたアンソロジー集。

タイトルは、現・ペンクラブ会長の阿刀田高さんによるものだそう。
3章構成で、1章につき9人が書いているので、1冊で計28人の「猫に関する文章」が読めます。

自分と飼い猫との思い出を綴ったエッセイが多いけれど、中には「小説」と思える作品もあり、バラエティーに富んだラインナップになっていて、多くの作品には「取り上げられた猫の写真」がついている。

猫の種類や名前を追うだけでも楽しめるし、「猫好き作家特集」には出てこない、学術系や詩人といった方の文章も納められていて「この人も猫好きだったのか~」と新しい発見があったりもした。
正直言いますと、知らないお名前もちらほら・・・[あせあせ(飛び散る汗)]

どの文章も興味深く読めたけれど、「私は猫である」と始まる、トップバッター浅田次郎さんの作品を最初に配した編集は「ナイス!」だと思った。ぐいい~と、猫の世界に引き込まれるような効力があった。

面白い試みだと思ったのは、「目には見えない猫」を飼う、吉岡忍さんの作品。しかも、猫の名前が「ビンラディン」で、メス猫だという設定。
吉岡さんて、硬派なジャーナリストという印象しかなかったので「こんな作品も書くんだ」とビックリ。

なんだかいいな~と思ったのは、「猫の貞節」というタイトルの、畑裕子さんの作品。メイちゃんというメス猫の一途な恋(愛情かな?)が描かれるのだけど、飼い主である人間がおろおろしたり、メイちゃんの恋敵の猫を憎らしがったりする様子がまた微笑ましくも可笑しかった。

あと、以前から、志茂田景樹さんが「猫語がわかる」と豪語していることは知っていたけれど、この本に納められた作品中でも、猫語翻訳をされています。

正確な翻訳はできなくとも、ずっと一緒にいたら、ある程度猫の言葉がわかるようになる・・・かな?

28作品もあるので、読めば何かしら心に留まる作品に出会えることと思います。


わたし、猫語がわかるのよ

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コメント 5

べっちゃん

こういう読み方もあるんですね。猫というと、奥泉光の「『我輩は猫である』殺人事件」、上野瞭の「ひげよ、さらば~猫たちのバラード」という小説が面白かったです。後者は絶版ですが、お薦めです。NHKの人形劇にもなっていました。
by べっちゃん (2011-09-10 06:14) 

ゆうこ

猫語が分かったら楽しい半面
「何バカなことやってるんだか」みたいな、シラ~っとした顔される時もあるので(笑)
浅田次郎さん大好きです^^ 読んでみようかな♪
by ゆうこ (2011-09-10 16:43) 

駄々猫

>べっちゃんさん
ご訪問&nice&コメントありがとうございます。
奥泉作品はいずれ登場するかと。(積読中です)
上野作品は存じ上げませんでした。教えていただき、ありがとうございます~早速図書館予約しました!

>ゆうこさん
猫って結構冷たいですよね・・・それがまた魅力的なんですが、実際に猫語がわかったら、「ひ、ひどいわっ」と泣きたくなるかも。
浅田さんは、どうやら人間じゃなくて猫らしいですよ!

by 駄々猫 (2011-09-10 23:43) 

らいみ

あらら。
忍さんって。うちの義理の姉のだんなの弟さんなのだ。
び~~っくり。

アンソロジーもいいですね。
by らいみ (2011-09-11 22:38) 

駄々猫

>らいみさん
ええ? そんなところにつながりが。
ドキュメンタリーつながり?
by 駄々猫 (2011-09-12 23:47) 

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