猫本30:『ずるいねこのおはなし』★ビアトリクス・ポター [猫★主役絵本]

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『ずるいねこのおはなし』★ビアトリクス・ポター

ポターといえば、『ピーターラビット』シリーズの著者として有名ですね。
数年前に、彼女の生涯を描いた映画「ミス・ポター」を見ましたが、作家として認められるまでは、なかなか大変な道のりがあったようです。

この本も「ピーターラビット」シリーズの一冊に納められています。(No.20)
「ねこ」がタイトルについているのは、もう一冊『こねこのトムのおはなし』(No.4)があり、そちらの方が有名かも知れません。

トムには可愛げがあったけど、この「ずるいねこ」は、「年寄りのずるいねこ」とだけ書かれており、名前がありません。
短くて単純なお話の中で、「ずるい」というか「ちょいと卑怯」で「意地汚く」描かれていて。
ねこのお茶会に呼ばれたねずみは、「律儀で賢く」描かれている。

アニメの「トムとジェリー」に似ているかも・・・って、こちらの方がずっと早く世に出たわけですが、「お間抜けな猫」と「賢いねずみ」という対比は同じ。

猫好きとしては、「ねずみごときに!」とちょっと悔しく、「ふん。猫嫌いが作ったんでしょ」とも思うけれど、ポターの描き方は、猫を貶めてはいない。
このねこは最終的に「お間抜けなこと」になってしまうんだど、それを微笑ましく眺めているような感じ。

猫がねずみを捕るのは、当たり前のことだった時代だし、「ずるい」といっても、そんなに「悪いこと」として描かれてもいない印象。
ただの「ねこ」じゃなくて「年寄りのねこ」なのも、「年をとって、動きが鈍くなったから仕方なく策略を用いて」という風にも解釈できるし。

だから、「ふん!」と思いつつも「猫だって、失敗することはあるのさ!」と、余裕をもって眺めることができるのでした。

ずるいねこのおはなし (ピーターラビットの絵本)

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